YUMING MUSEUM
2022年にデビュー50周年を迎えた松任谷由実さんの展覧会、YUMING MUSEUMの会場構成。
https://tcv.roppongihills.com/jp/exhibitions/yuming/index.html
Location: Tokyo, JAPAN
Venue: Tokyo City View
Project type: Exhibition
Exhibition Period: 2022.12- 2023.02
Exhibition design: Mariko Abe
Organizer: Tokyo City View, The Asahi Shimbun, NHK promotion
Cooperated by: Kirarasha, UNIVERSAL MUSIC
Construction: Tsumura Kogei
Graphic (main visual): Chie Morimoto (goen°)
*Photography: Ooki JINGU
*Drawings: Mariko Abe
Entrance - 01. Welcome to YUMING MUSEUM
Drawing / Zoning: Mariko Abe
東京・六本木ヒルズの52階、東京シティービューで開催された、松任谷由実さんの50周年展覧会、YUMING MUSEUM。
松任谷由実さんの展覧会のデザインを始めた時、音楽の展覧会を目指した。詩があり、ピアノという楽器があり、音が生まれ、歌になる。そのシンプルな創造の中で、妙や発見を詰め込み、本質の音楽を作ってしまうのが由実さんだと感じている。
50周年展のため継続というテーマはありながら、創造の原点や秘密に少しでも近づけなければ、意味がない。歌詞のメモや譜面含め、手掛かりを実家などから探し出し、発掘の度に構成を考えていった。
空間としては、タイトルの通り、展望台の各所を”MUSEUM的に”作り変えながら、展示が進んでいく。手書きの譜面や歌詞が滝の如く空に舞うエントランスホールを抜けると、細長い回廊を使って、写真・レコードが過去と今を一直線に繋ぎ、ギャラリーまで導いていく。
ギャラリーのはじめは”始まりの部屋”。デビュー前の絵画や三味線・ピアノ・本・夜抜けメモなど多様な物が並び、50年前へとタイムスリップさせる。その部屋の裏面は弾き語りと作曲に絞った部屋とした。裏表で隣り合うこの2つの部屋で、同時期に交差していた創作の原点を探る。
その後の展示は、由実さんが各時間を突破するように、壁を超える度に要素が変わっていく。レコーディングから始まり、時代感が映る雑誌やコンサート、衣装やセットの大規模なチームワーク。それぞれの瞬間での多様・多才(彩)なイメージも、最終的にその経験が創作に還り、曲を作り続けていく。展示の最初と最後で創作をテーマとし、その終わりのない循環を表現した。
会場デザインには、10色を超える曖昧な色を盛り込んでいる。”グルーミーな”印象を持たせるだけでなく、一言で言い表せない、曖昧で複雑な空気感を大切にした。
東京シティービューは、展望台。東京の中心、海抜250mから街並みを見下ろし、東京湾から先の町々、富士山まで、朝日夕日・春夏秋冬、その時々の空気感を含め一望出来る。由実さんの曲や音には、景色があり、色があり、ストーリーがある。
景色と合わせて由実さんの楽曲を聞く体験は、始めからとても作りたかった。普段は歩きながら景色を見る展望台の窓側を、青で包み込み、東京の空と風景に溶かす。空間が消え、歌と景色と自分の想いだけとなる瞬間をつくる。この場所で、”空と海の輝きに向けて”のデモテープを流せたことは、時間や想像を超えた奇跡のように思えた。すべてのメッセージがつながり、時にはそれすら超えながら、YUMINGさんはこれからも続いていく。
02. 50 years
03.はじまりの部屋 - beginning 04.由実の絵 - Yumi’s paintings 05. 起こさないで - Do not wake me up 06. 詩・曲 - lyrics/song 07.ひこうき雲 - Hikō-Ki Gumo
08.時代とカルチャー - Culture and the area 09.Concert 10. Costume 11. TIME MACHINE 12. SHANGRILA
13. 2020→ 14. On going
50.空と海の輝きに向けて
Song and scenery - Listening to Yuming’s Songs with Tokyo scape.
Exhibition view at night